経緯
これまで、他社製の有機EL成膜装置を使用していた。しかし、使用上、下記の不具合点や要望が挙がっていた。
- マスクの交換機構が搭載されていない為、マスクを交換する際は、その都度、大気開放する必要がある。その為、試料にダメージが生じてしまう。また、一貫した真空環境ではない為、無駄な時間を費やしてしまう。
- 有機蒸着室において、現状が最大6源の蒸着セルが付いているが、現状の真空槽を活用して、拡張性を増やし、色々な実験を行いたい。
対処法
- 現状の2軸マニピュレーター(上下軸・回転軸)から、3軸マニピュレーター(上下軸・回転軸・マスク上下軸)への変更を提案した。
(現状の2軸マニピュレーターから新規3軸マニピュレーター製作へ)
- 下部フランジを弊社有機蒸着セル(KOD-Cell)が最大限設置可能な設計を提案した。
(有機蒸着セル:最大8源取り付け可能、金属蒸着セル:最大3源取り付け可能)
結果
- 新規3軸マニピュレーターを設計製作した。それに伴い、追加制御機能を新規 PLC制御パネルにて構築し、既存の制御系とドッキングする事を可能にした。
基板ホルダー及びマスクホルダーを各々搬送可能になった事により、実験の拡張性が大幅に増え、様々なパターンの実験が可能となった。
- 新規下部フランジを設計製作した。外周に有機蒸着セル(KOD-Cell)を8源、中央に3元金属蒸着セル(KMDT-Cell)がそれぞれ設置可能な構成を構築した。
これまで、有機蒸着のみの部屋であったが、金属蒸着も可能となり、大幅に実験の拡張性が増え、様々な材料蒸着に可能とした。