真空チャンバー内の主な残留ガスは、真空容器表面に吸着しているガス、真空容器の材料内部に溶け込んでいるガスの拡散、チャンバー外部から透過してくるガスであります。本頁では、真空度を変化させたときの、真空容器内の残留ガスの変化を説明しています。
チャンバーを排気し始めてから暫くは、どのガス種も一様に値が高くなります。
真空度が10-6Pa台に到達するまでにチャンバー表面から放出されるガスの主成分は、真空容器内面に吸着しているH2Oです。短時間で超高真空領域に到達させる方法には、吸着しているH2Oを効率よく排気することが重要であり、ベーキング処理が非常に有効となります。
ベーキングをすることにより、H2Oなどのガスが排気され、H2のみが残留ガスとして残ります。 H2は真空容器の材料内部からの拡散により発生しています。この状態が理想的な超高真空環境であると言えます。