これまで、他社製の大型有機蒸着セルを使用していた。しかしながら、大型ならではのルツボ容量が大きいと言うこともあり、温度安定性と材料効率が非常に悪く悩んでいた。有機材料においては、1g当たり数万円もコストが掛かる材料を使用しているケースがある為、材料効率が悪い大型蒸着源を使用すると、1回の蒸着において10gもの材料充填の必要がある。そこで、弊社の有機蒸着セルを用いることで、その点を解消したい。
有機蒸着セル・KOD-Cellを提案した。KOD-Cellは、ルツボ容量は1ccと極めて小さく、ルツボ材質に熱伝導率の良いシェイパル(マシナブルセラミックス)を使用することで、温度安定性及び取り扱いに優れている。
KOD-Cellの先端部へ配向性を高める為に蒸着ノズルを設置することにより、ルツボ容量1ccとコンパクト性に優れていることから、指向性が非常に良く、メンテナンスが容易となった。また、極低レート蒸着制御が膜厚コントローラー及び温調器の組み合わせにより可能となり、材料効率及びメンテナンス性が良く地球環境に優れた製品である。また、手軽に蒸着実験をしたい研究者の方々から、高い評価をいただいている。