TEMホルダー
冷却素子としてペルチェモジュールを採用することにより、機械的な振動をゼロに抑えたホルダー。
-20℃までの冷却*と、+100℃までの加熱に対応。オプションとして試料用電極の搭載などに柔軟に対応、様々なデバイスのin-situ観察に適しています。
*自然空冷による排熱を行うため、到達温度は環境温度に依存します。
- ホルダー後端部に大型の放熱フィンを搭載することにより自然空冷のみで試料温度-20℃を実現しています。
※冷却時は放熱フィン部の放熱のため、TEM本体のカバーは開けた状態で使用する必要があります。
- 試料装着部は周囲の部品から断熱的に固定され、また伝熱用の内部部品とは箔を介して接続されているため、温度安定後は非常にドリフトが少ない状態で観察することができます。
- 試料用の電極を搭載するなど、柔軟なカスタマイズに対応致します。また、加熱・冷却以外の他の機能と組み合わせることが可能な場合があります。
製作実績例
・大気遮断状態での試料搬送機能との組み合わせ
・プローブ駆動機能との組み合わせ
※室温23℃に管理された部屋における測定例
放熱部とは後端部の放熱フィンが取り付いた箇所を指します。
対応TEM(単機能の標準モデルの場合)
日本電子様製TEM(URP以上のポールピースギャップがある機種、超高圧電顕については未対応) その他メーカー製様のTEMについてはお問い合わせください。
冷却・温度安定時のドリフト量 |
4nm/min.程度(測定例) |
加熱・温度安定時のドリフト量 |
4nm/min.程度(測定例) |
温度制御方法
冷却時/加熱時 |
PID制御/電流制御 |
加熱・冷却温度範囲 |
-20〜+100℃ |
※単機能の標準モデルの場合
※ドリフトの大きさは試料の様態にも依存します。
※冷却温度については周囲の環境温度に依存します。
標準価格 |
別途ご相談ください |
見積もり |
別途ご相談ください
|
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
試料冷却TEMホルダーは、試料ホルダー部に液体窒素を導入し冷却しながら試料を観察及び測定することが出来るTEM用試料ホルダーです。
試料 |
φ3×t0.03mm(標準) |
冷却 |
-150℃ (安定後-150℃ 保持4時間) シールド付 |
- バブリング防止対策を施した後部タンクから液体窒素を導入して試料ホルダー部を冷却し原子の動きを安定させますので、原子の鮮明な観察が可能です。
- 冷却することにより熱源又は電子線による原子の損傷を軽減させることが出来ます。
- 液体窒素充填後の安定状態において、-150℃を保持しながら4時間程度の測定が可能です。
- 測温にはT型熱電対(カッパーコンスタンタン)を使用しています。
- 先端部はアタッチメント方式になっていますので、目的に応じた条件での観察、測定等が可能です。
- この試料ホルダーにはフィラメントを利用した蒸着機構も備えていますので、試料への蒸着及び蒸着後の測定等も可能です。
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
試料加熱TEMホルダーは、試料ホルダー部に通電による加熱機構を設け、試料を加熱しながら観察及び測定することが出来るTEM用試料ホルダーです。
- 加熱機構により、試料を加熱しながら原子の構造変化や熱的な反応、蒸発等を観察及び測定することが出来ます。
- 加熱には通電加熱式の無誘導ヒーター(PG-PBN)を用い、測温はタングステンレニウム熱電対を使用しています。
試料 |
φ3×t0.03mm(標準) |
加熱 |
MAX850℃/1123K、通電加熱ヒーター |
熱電対 |
タングステンレニウム(W-Re) |
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
二軸傾斜・試料加熱TEMホルダーは、試料ホルダー部に通電による加熱機構及び傾斜機構を設けていますので、試料を加熱及び傾斜させながら観察及び測定することが出来るTEM用試料ホルダーです。
試料 |
φ3×t0.03mm(標準) |
加熱 |
MAX850℃/1123K、無誘導ヒーター(PG-PBN) |
熱電対 |
白金ロジウム |
ホルダー傾斜角度 |
±20°
|
- 加熱機構により、試料を加熱しながら原子の構造変化や熱的な反応、蒸発等を観察及び測定することが出来ます。
- 加熱には通電加熱式の無誘導ヒーター(PG-PBN)を用い、測温は白金ロジウム熱電対を使用しています。
- 試料ホルダーが傾斜しますので、試料への照射角度や範囲等を変えることが出来ます。
- 駆動コントローラーのご利用が可能ですのでご相談下さい。
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
クリーニング用TEMホルダーは、TEMカラム内の炭化水素(hydrocarbons)による汚染(contamination)を軽減させるため、活性酸素(reactive oxygen species)を試料室近傍まで導入するためのTEM用ホルダーです。
- TEM試料ホルダー挿入部に装着することが出来ます。
- ラジカル酸素発生器の真空排気はTEM本体の真空排気(DP排気モード)を利用して行います。
- 差動排気の圧力調整はラジカル酸素発生器のバルブで行うことが出来ます。
- ラジカル酸素発生器は、接続フランジ(NW40KF)にて取り付けることが出来ます。
(ラジカル酸素発生器は含まれておりませんのでお客様にてご用意下さい)
接続フランジ |
NW40KF |
圧力調整 |
ニードルバルブ |
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
ガス導入TEMホルダーは、試料ホルダー部にガスを導入しながら観察及び測定することが出来るTEM用試料ホルダーです。
- ガス導入用バルブにはPZTアクチエーターを使用して振動を抑えていますので、標準ホルダーと同レベルの分解能で試料の観察及び測定をすることが出来ます。
- 試料ホルダー及び試料室へのガス導入を行うことが出来ます。
- 導入するガスのタンクへの充填も可能です。
- 試料室と真空容器の間は複数のオリフィスで仕切られていますので、高いガス圧力下での観察及び測定が可能です。
- 観察及び測定中のガスの排気はTEMホルダーの差動排気にて行えますので、TEM本体への影響は軽減されています。
導入バルブ |
ピエゾバルブ |
ガス容器容積 |
1cm3 (1気圧) |
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
その場観察TEMホルダーは、試料ホルダー部へのガス導入を行いながらその場のガス圧力を測定することが出来るTEM用試料ホルダーです。
- オリフィスによる差動排気を利用して試料へのガス導入をすることが出来ます。
- 試料へのガス導入は、ホルダーグリップ部に内蔵されているリザーバタンクより供給することが出来ます。
- ガス圧力の測定は、試料室に導入されたガスセンサーにより計測します。
- ガスの流量は調整することが出来ます。
- 試料ホルダーはX軸傾斜機能が付いていますので、角度を付けながら試料へのガス導入が可能です。
(XYZ軸方向への稼働は電子顕微鏡本体ゴニオメーターに準じます)
- オリフィスは固定部品の交換によりサイズの変更が可能です。(OP)
- 試料ガス:酸素、大気、アルゴン、CO+大気、水素+アルゴン
(ガス混合及び供給装置は含まれておりませんのでお客様方にてご用意下さい)
試料 |
φ3×t0.03mm(標準) |
オリフィス |
φ0.2mm(サイズ変更可能) |
ガス流量調整 |
ニードルバルブ |
圧力測定 |
熱電対出力(ガスセンサー) |
試料稼働範囲 |
XY±1mm, Z±0.2mm(本体ゴニオメーターの制限による) |
傾斜角 |
X軸 MAX±10° |
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
ガス・光・導入機構付TEMホルダーは、ガス雰囲気下又は光を照射させた状態での試料の観察又は測定をすることが出来るTEM用試料ホルダーです。
- 本ホルダーは傾斜が可能ですので、ガス及び光を導入した状態でもポールピースと干渉しません。
- 外部からのガス供給システム及びリザーバタンク等を利用して、試料近傍に酸素、窒素等ガスを導入することが出来ます。
- 試料へのガス導入は、ガス供給システムからの他、試料ホルダーのグリップ部にリザーバタンクが内蔵されていますので、TEMホルダー単体からでもガス導入を行うことが出来ます。
- ガスの流量調整は内蔵されている2個のバルブで行うことが出来ます。(1個は微調整用)
- 光源導入用の専用コネクタを設置していますので、光ファイバー等お手持ちの光源を接続し、試料近傍に紫外〜可視光を照射することが可能となります。
(光源は含まれておりません。お手持ちの光源をご利用頂けるよう対応いたします)
- 様々な内容の実験、観察及び測定に対応出来るよう分解及び再組み立てが可能な構造になっていますので、ガス及び光導入用のパーツ交換等を容易に行うことが出来ます。
試料 |
φ3×t0.03mm(標準) |
オリフィス |
φ0.2mm(サイズ変更可能) |
ガス導入バルブ |
2個付(1個は微調整用) ガス・リザーバタンク内蔵 試料傾斜可能(一軸以上) |
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
ガス反応TEMホルダーは、蒸着やMEMS(*)加工等が施された特殊な種類又は形状等の試料を取り付けることが出来るTEM用試料ホルダーです。また、各種ガスを導入しながら高分解能でその場観察及び測定をすることも可能です。
※MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)
- 試料ホルダー部は、用途に応じた特殊な種類又は形状に対応した試料ホルダーをご用意いたします。
- 試料ホルダーはX軸傾斜機能が付いていますので、角度を付けながら試料へのガス導入が可能です。
- 取り付けた試料を、試料ホルダー(X軸)に対しY軸方向へも傾斜させることが出来ます。
(XYZ軸方向への稼働は電子顕微鏡本体ゴニオメーターに準じます)
- 試料へのガス導入は、ホルダーグリップ部に内蔵されているリザーバタンクより供給することが出来ます。
- ガス圧力の測定は、試料室に導入されたガスセンサーにより計測します。
- ガスの流量は調整することが出来ます。
- オリフィスは固定部品の交換によりサイズの変更が可能です。(OP)
- 試料ガス:酸素、大気、アルゴン、CO+大気、水素+アルゴン
(ガス混合及び供給装置は含まれておりませんのでお客様にてご用意下さい)
試料 |
φ3×t0.03mm(標準) |
オリフィス |
φ0.2mm(サイズ変更可能) |
ガス流量調整 |
ニードルバルブ |
圧力測定 |
熱電対出力(ガスセンサー) |
傾斜角 |
X軸 MAX±10°, Y軸 MAX±3° |
試料稼働範囲 |
XY±1mm, Z±0.2mm(本体ゴニオメーターの制限による) |
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
反応ガス2種導入TEMホルダーは、二種類のガスを同時に試料ホルダー部へ導入しながら高分解能でその場観察及び測定をすることが出来るTEM用試料ホルダーです。
- 二つのガスタンクから試料ホルダー部まで別々に配管されていますので、同時、単独又は流量配分しながら等用途や実験目的に応じたガス導入を行うことが出来ます。
- ガス導入用バルブにはPZTアクチエーターを使用して振動を抑えていますので、標準ホルダーと同レベルの分解能で試料の観察及び測定をすることが出来ます。
- ガスタンク(1個:50cc)及びバルブはユニット化されていますので簡単に交換することが出来ます。
- 試料ホルダー部は、用途に応じた特殊な種類又は形状に対応した試料ホルダーをご用意いたします。
(例:集光ミラー内への導入等に対応した薄型タイプ等)
試料 |
φ3×t0.03mm同等 |
流量調整 |
ピエゾバルブ |
ガス容器容積 |
50cc (2台付) |
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
引張り応力計測TEMホルダーは、フィルム状の試料を引っ張ることにより生じる歪みや破断時までの応力変化過程をその場観察及び測定をすることが出来るTEM用試料ホルダーです。
- 試料ホルダー部は、特にフィルム状試料に対応していますが、用途に応じた特殊な種類又は形状に対応した試料ホルダーをご用意いたします。
- 引っ張り機構は、PZTスキャナー及びDCモーターを利用しますので、粗・微動引っ張りに対応します。
- 試料の応力変化過程は、歪みゲージを利用してその抵抗値をブリッジ回路にて検出し測定します。
- 引っ張り機構を利用し、CNT(カーボンナノチューブ)の引っ張り強度測定等も行うことが出来ます。
- 試料ホルダー先端部への通電加熱機構を追加することが出来ますので、試料を加熱しながら観察及び測定することも可能になります。
- お客様の用途目的に応じて、位置決め機構付きや引っ張り強度測定機能付きの製作も可能です。
試料 |
フィルム状試料 |
引張り方法 |
ピエゾスキャナー及びDCモーター |
引張りスピード |
0.21mm/s |
応力計測 |
歪みゲージ利用 |
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
蒸着TEMホルダーは、試料ホルダー部に蒸着源を組み込み、通電加熱により材料を蒸発させて試料表面に蒸着し、その場観察及び測定をすることが出来るTEM用試料ホルダーです。
- 試料ホルダー部に通電加熱用のヒーターが組み込まれ、蒸着源がセット出来る構造になっていますので、試料を取り付けた後そのまま蒸着から観察及び測定まで行うことが出来ます。
- 試料には標準ディスクを利用することが出来ます。
- ヒーターにはタングステンフィラメント(W)を使用し、測温にはタングステンレニウム(W-Re)を使用します。
試料 |
φ3×t0.03mm(標準) |
ヒーター |
Wフィラメント φ10μm 通電加熱ヒーター |
熱電対 |
タングステンレニウム(W-Re) |
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
大気遮断TEMホルダーは、様々な嫌気性材料を試料とする場合に大気遮断しながら試料を取り付け、そのまま電子顕微鏡に挿入してその場観察及び測定をすることが出来るTEM用試料ホルダーです。また、電流導入端子を備えていますので、電気化学的な実験、観察及び測定等を同時に行うことが出来ます。
- グローブボックス内で嫌気性材料を試料ホルダーへ装着後、直接電子顕微鏡へ挿入する構成になっていますので大気に触れることなく観察及び測定を行うことが出来ます。
- 本試料ホルダーは2軸傾斜が可能ですので、ポールピースに於いてX及びY軸方向へ傾斜させながら観察及び測定をすることが出来ます。
- 4極の電流導入端子を備えており、各極最大0.5Aの電流を流すことが出来ますので、様々な電気化学的な実験、観察及び計測を行うことが出来ます。
- TEMホルダーの大気遮断はスリーブ方式ですので、他型のホルダーへの交換も容易に行うことが出来ます。
- 試料ホルダー部は標準サイズのTEM試料の装着も可能です。
- 真空引き口(NW10KF)を備えていますので、必要に応じて高真空にも対応することが出来ます。
- TEMホルダー内の真空は、封じ切って大気中に放出した状態で5X10-2Pa以下の真空度を10分以上保持することが出来ます。
試料 |
φ3×t0.03mm(標準) |
試料ホルダー傾斜角度 |
X軸15°≦ Y軸5°≦ |
4極電流導入端子 |
各MAX0.5A |
蒸着方法 |
蒸着源への通電加熱 |
真空保持 |
約10分 5×10-2Pa以下 |
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
真空封止型試料搬送機構は、試料封止ホルダー、脱着用トランスファーロッド及びアライメント補正用のベロージョイントで構成されています。真空中で加工された試料を試料ホルダーに取り付け、その上にOリング方式のカバーキャップをねじ込み式で取り付けて真空封止をすることが出来ます。これにより試料の酸化を防ぐことが出来る上、ねじ込み時に使用するトランスファーロッドでそのままグローブボックス内へ試料を搬送することが出来ます。
- 真空中で様々な加工を施された試料を、グローブボックス内で真空封止してそのまま挿入することが出来るので、大気による酸化や汚染等を防ぐことが出来ます。
- アライメントの調整用にベロージョイント(KBJ-34)も付いていますので、ねじ込み式のカバーキャップも容易に取り付けることが出来ます。
- エントリーBOXには上面及び左右側面に窓を設けてありますので、操作性良く試料封止ホルダーの脱着を行うことが出来ます。(既存装置のエントリーBOXとの交換が可能です)
試料 |
試料封止ホルダー |
封止方式 |
カプセル、Oリンク |
搬送距離 |
100mm |
アライメント補正 |
ベロージョイント KBJ-34 窓付エントリーBOX |
FIBで加工した試料に上カプセル(写真左側)をねじ込む事により、Oリングによる封止が可能となります。その為、試料を大気に触れること無くグローブBOX内への搬送が可能となりますので、試料の酸化を防ぐ事が出来ます。
※お客様の実験・測定等目的に応じた設計製作に対応しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
|