FIM:電界イオン顕微鏡装置Field Ion Microscope
電界イオン顧微鏡(FIM:Field Ion Microscope)は鋭く尖った金属針先端の表面原子像を容易に観察できる投影型の顕微鏡で1951年にペンシルバニア州立大学のErwin E. Mueller教授により発明されました。本装置は、超高真空の環境の中で、試料としてセットした金属tip(探針)の電圧を除々に大きくしていくことで、スクリ−ンにFIM像を出現させ、針状の試料表面原子の凹凸を100万倍程度に拡大した像を肉眼で観察できるイオン検出形表面分析装置です。
同時にtipに電圧が印加されることで先端部分の表面に付着している不純物を取り除くクリーニング効果が得られます。
さらにtipに印加する電圧を大きくすることで電界蒸発を行わせ、原子を個々にはぎ取り、先端原子の数を調整できるなど高度な実験が可能です。こうした本装置の優れた特性は、金属の原子レベルでの観察はもとより、先端の鋭い金属tipが不可欠な走査型トンネル顕微境(STM:Scanning Tunneling Microscope)のtip評価用として使われるなど幅広い用途に生かされ、多くの研究所、大学の研究室などで採用されています。
(引用:http://www.nims.go.jp/apfim/exhibitionFIM_j.html)
弊社では御客様の御仕様に合わせた設計・製作品と併せ、机上に設置・観察可能な簡易型FIM装置/KFIM-MK IIを開発し提供しております。
(独)物質・材料研究機構殿、東京大学殿、東京工業大学殿
(独)産業技術総合研究所殿、大阪大学殿、青山学院大学殿
…他
http://www.nims.go.jp/apfim/fim_j.html
※御客様の仕様に合わせた設計製作を承っておりますので、弊社までお問い合わせください。
FIM像:W Tip
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MCPユニット
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高圧電源
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KFIMは、鋭く尖った金属針先端の表面原子像を容易に観察できるコンパクトでしかも取り扱いの簡単な電界イオン顧微鏡(FIM:Field Ion Microscope)です。
本装置は、超高真空の環境の中で、試料としてセットした金属tip(探針)の電圧を除々に大きくしていくことで、スクリ−ンにFIM像を出現させ、その印加電圧からtip先端の鋭さを評価することができる頗微鏡です。同時にtipに電圧が印加されることで先端部分の表面に付着している不純物を取り除くクリーニング効果が得られます。
さらにtipに印加する電圧を大きくすることで電界蒸発を行わせ、原子を個々にはぎ取り、先端原子の数を調整できるなど高度な実験が可能です。
こうした本装置の優れた特性は、金属の原子レベルでの観察はもとより、先端の鋭い金属tipが不可欠な走査型トンネル顕微境(STM:Scanning Tunneling Microscope)のtip評価用として使われるなど幅広い用途に生かされ、多くの研究所、大学の研究室などで採用されています。
また、本装置は性能面でも、ターボ分子ポンプにより10−8Torrまで排気が可能。同時に6本までのtip(探針)が収納でき、試料を連続して観察することが可能。FIM像にはシェブロン型MCPを採用、高感度な観察を実現。
さらに各tipは液体窒素の導入により、冷却可能なブロック台上で冷却できるなど、優れたスペックでさまざまな実験研究をサポートいたします。
真空容器内に、観察対象の金属針(tip)と、その先端を蛍光材の塗布された電極に垂直になるように配置します。真空容器内を高真空にし、結像ガス(He)をわずかに導入した後に、Tipに+(プラス)の高電圧を印加します。Tip先端の原子が段状に角張って並んでいる箇所では、周辺よりも電界が局所的に集中し、その近辺を浮遊しているHe原子も高電界により+(プラス)イオン化されます。
+(プラス)イオンは、電気力線に沿って-(マイナス)電極(チャンネルプレート)へ向かって飛行・衝突し、スクリーンに光点として表示されます。同じ場所に近づいたHe原子は、同じようにイオン化され同じ軌道で-(マイナス)電極と同じ位置に飛行・衝突をくり返します。これにより、スクリーンは定状的な像、すなわちTip先端の表面原子像が表示されます。
実際のFIMでは、-(マイナス)電極はチャンネルプレートとスクリーンで構成されます。1個のHeイオンは数十万個分の2次電子に変換、増幅され、直接肉眼で見る事のできる明るさで表示されます。
また、拡大表示されるのは、電気力線がTip先端から放射上に広がって電極に到達しているためです。その拡大率Mは、
Tip先端の平均的な極率半径をrとし、極率中心と電極までの距離をDとすると、近似的な式M=D÷rで表されます。
Dを5cm、rを10nmとすると拡大率Mは500万倍となり、原子を約1mm程度の大きさで観察することができます。
本体部 |
真空容器本体 |
SUS-304電解研磨仕上げ |
観察窓 |
ビューイングポート ICF-114VP |
電圧導入端子 |
MHV*3、SHV*1 |
サービスポート |
ICF-34 |
到達真空度 |
≦10−6Pa(液体窒素冷却) |
寸法 |
350W×60H×300D(mm) |
重量 |
約7kg |
探針保持部 |
ホルダー本体 |
6箇所目盛、360°回転&Tilt機構・液体窒素冷却付 |
ホルダー部 |
6本(同時に装着可能) |
チップベース |
ネジ止め式 |
測定部 |
MCP:マイクロチャネルプレート |
有効径:Φ40mm/2段式 |
真空計 |
ヌードイオンゲージ |
制御電源部 |
入力電源 |
AC100V±10% 50/60Hz |
冷却方式 |
自然空冷方式 |
電圧出力 |
MCP:0〜-3kV |
SCREEN:0〜+3kV |
TIP:0〜+15kV |
Rippls:0.1%p-p |
真空排気系 |
ターボ分子ポンプ |
TMP-70L/S |
ロータリーポンプ |
33L/min |
オイルミストトラップ |
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バリアブルLV |
結像ガス導入用 ICF-70/34 |
手動L型バルブ |
NW25KF |
リークバルブ |
KLV-10/ICF-34 |
変換フランジ |
ICF-34/VCR1/4 |
フレキ |
NW16KF*1000L |
フレキ |
VCR1/4*1000L |
オプション |
純ヘリウムボンベ |
(99.9999%)10L 150kg/cm3(初回のみ充填) |
レギュレータ |
He用 |
トランスファーロッド |
ストローク、フランジ各種 |
実験実況録画DVD |
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※御客様の仕様に合わせた設計製作を承っておりますので、弊社までお問い合わせください。
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